第一回 XJR1200 JAM-JAPAN
MonsterEVOクラスに参戦するために。


2011年、それまでZ650で参戦していた松浦光一氏が、連勝中のD.O.B.A.R.-1クラスを自主卒業し、自身のガレージに眠っていた町乗りのXJR1200で新たに
MonsterEVOクラスに参戦したいという事で車両製作依頼を受けたのがきっかけ。
エンジン製作は2005までドラッグレースでFJ1200を使用していた事もあり、ある程度の知識はあったものの、車体のほうは手探りとなった。
しかし、XJR1200自体、もともと17インチネイキッドで、ハンドリングには高評価を受けているヤマハだけに不安はなく始められ、とにかくメーカーの設計したものを邪魔せずに、サーキット走行に必要な箇所を必要なだけ、プラスし
てゆくという手法を行う。
51号車で様々なデータが蓄積されてきた頃合の2014年、XJR1300FiのRAPIDバ
イク開発をきっかけに、『空冷レーサーをFiでフル制御したら、どんな車両に
なるのだろう?』という発想が生まれ、24号車製作の土台が固まる。
外見が市販車から大きく変わるオリジナルフレームは、レギュレーション違反
ではないが、本来の草レースの趣旨から外れてしまうと考えるため、あくまで
メーカー製作のフレームベース、誰が見てもXJRはXJR、ZであればZ、CBであれ
ばCBと分かる、本来の外装を装着したい。
また、一見速そうに見えない、一般の人にも受け入れられるようなオシャレ要
素も含んだ車両という事で、カフェレーサースタイルのXJR1300Cの外見をチョイス。
2017年5月、シェイクダウンに入った24号車、最初はノーマルエンジンを搭載
し、~2018までライダーを務めた嶋川直宏が1秒台半ばでタイムを刻んでいた
。
9月に入り、テイストに向けチューニングエンジン搭載で走行を始めた矢先、
謎のエンジントラブルに悩まされ、使用していた純正ECUの解析の結果、Fiで
の計画を一時中断し、キャブレター仕様に切り替える。
2019年からライダーを豊田浩史にチェンジ。
11月のレースウィークには練習中からコンスタントに58秒後半~59秒前半で周
回し、ノーマルフレームベースの空冷車では独走トップタイムとなる、58秒
819を予選で記録する。
現状でも課題点はまだまだ多いので改善しつつ、再びFi計画を再開し、空冷の
コースレコードとなる58秒447を塗り替えるべく躍進中です。
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